アルバータ州首相、オタワの温室効果ガス排出量上限設定に反対 – 法廷闘争の予告


アルバータ州のダニエル・スミス首相は、オタワが提案する石油産業に対する温室効果ガス排出量の上限設定が、アルバータ州に対する不公平な措置であると主張し、これに関して連邦政府と法廷で争う意向を表明しています。

この背景には、カナダ全体での環境保護の取り組みがあります。カナダ政府は、気候変動対策として、石油産業からの温室効果ガスの排出量を削減しようとしています。しかし、アルバータ州はカナダの主要な石油生産地であり、このような政策は州の経済に大きな影響を与える可能性があります。

スミス首相は、この提案がアルバータ州だけを標的にしており、他の地域と公平ではないと指摘しています。彼女は、連邦環境大臣スティーブン・ギルボーを過激派と非難し、州との協力を拒否していると述べています。

アルバータ州環境大臣レベッカ・シュルツは、この提案を70年代の国家エネルギープログラムに例えており、これは石油産業に対する過去の連邦政策で、今もなお同業界で反発を招いています。

提案されている政策では、石油・ガス産業は2030年までに排出量を大幅に削減するか、排出量に相当するオフセットクレジットを購入することが求められています。カナダエネルギー規制当局によると、アルバータ州はカナダで唯一温室効果ガスの排出量が増加している地域です。

しかし、最近の調査ではアルバータ州の多くの住民が、石油・ガス産業に対する排出量の上限を支持しているとされています。

この問題は、気候変動対策と地域経済のバランスをどのように取るか、という大きな課題を示しています。カナダ政府とアルバータ州政府との間のこの対立は、環境保護と経済成長の間の複雑な交渉を反映していると言えるでしょう。

Related posts